「このカンナビノイドって違法?」「もう規制されたんだっけ?」
近年、薬物乱用防止のため違法薬物の取り締まりがより一層強化されてきました。指定薬物部会が緊急開催されることも多く、自身が所持しているカンナビノイド製品が違法なのか、合法なのか心配になっている方も多いと思います。
本記事では日本国内で違法なカンナビノイドと、規制されていない合法なカンナビノイドを一覧形式でまとめました。今後指定薬物として規制される可能性が高いカンナビノイド、違法なカンナビノイドを所持していた場合の対策も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
新たに規制対象となった違法なカンナビノイドが発表された際は、随時一覧に追加します。
※掲載情報は2024年9月時点のものとなります
一目でわかる!違法・合法なカンナビノイド一覧
現時点で日本国内で嗜好品として所持・使用することが違法なカンナビノイド、合法なカンナビノイドの一覧は以下のとおりです。
✕ 違法 | ◯ 合法 |
---|---|
THC | CBD |
HHC | CBN |
THCP | CBG |
THCO | CBC |
HHCO | CBDV |
THCH | H4CBD |
THCB | THCA |
THCV | HHCPO |
THCJD | CB9 |
HHCH | |
HHCB | |
HHCP |
※合法なカンナビノイドは市場での流通量が多いものを抜粋
日本で規制対象になったのはいつから?
HHC:2022年3月17日
HHC(ヘキサヒドロカンナビノール)は、THCを水素化して生成される合成カンナビノイドです。2022年3月17日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
THCP:2022年3月17日
THCP(テトラヒドロカンナビホロール)は、大麻草に微量に含まれるレアカンナビノイドです。2022年3月17日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
THCO:2022年3月20日
THCO(THCOアセテート)は、THCをアセチル化して生成される合成カンナビノイドです。2022年3月20日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
HHCO:2023年3月20日
HHCO(ヘキサヒドロカンナビノール)は、HHCをアセチル化して生成される合成カンナビノイドです。2023年3月20日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
THCH:2023年8月4日
THCH(テトラヒドロカンナビヘキソール)は、大麻草に元々含まれるフィトカンナビノイドです。2022年8月4日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
THCV:2023年9月10日
THCV(テトラヒドロカンナビバリン)は、大麻草に微量に含まれるレアカンナビノイドです。2023年9月10日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
THCB:2023年9月10日
THCB(テトラヒドロカンナビヘキソール)は、大麻草に元々含まれるフィトカンナビノイドです。2023年9月10日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
THCJD:2023年9月10日
THCJD(テトラヒドロカンナビオクチル)は、大麻草に微量に含まれるレアカンナビノイドです。2023年9月10日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
HHCH:2023年12月2日
HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)は、THCHを水素化して生成される合成カンナビノイドです。2023年12月2日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
HHCB:2024年1月6日
HHCB(ヘキサヒドロカンナブトール)は、THCBを水素化して生成される合成カンナビノイドです。2024年1月6日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
HHCP:2024年1月6日
HHCP(ヘキサヒドロカンナビフォロール)を水素化して作られた半合成のカンナビノイドです。2024年1月6日に指定薬物として規制され、日本国内で違法となりました。
今後規制される可能性が高いカンナビノイド
現時点では合法なカンナビノイドでも、今後指定薬物として規制される可能性があるカンナビノイドも存在します。
一体どのようなカンナビノイドが規制されるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
サイコアクティブ系は規制される可能性がある
数ある合法カンナビノイドの中でも、“サイコアクティブ系”と呼ばれる向精神作用が期待されるものは、今後規制される可能性があります。
サイコアクティブ系は、それぞれ強弱はあるものの摂取することで多幸感や陶酔感といった、いわゆる”ハイになる”状態へ陥ると言われています。
- HHCP
- HHCPO
- H4CBD
- HHCB
- CB9
ただし、これらのサイコアクティブ系のカンナビノイドは「国が合法と認めている」わけではなく、研究が追いついていないため『所持・使用しても違法ではない』という状態なのです。
そのため今後研究が進んだり、重大な健康被害が確認された場合は直ちに指定薬物として規制されるでしょう。
カンナビノイドの種類について
大麻草由来のカンナビノイドの数は、120種類以上にわたります。それらのカンナビノイドは以下のように分類されます。
フィトカンナビノイド
フィトカンナビノイドは、大麻草にもともと含まれている植物由来の成分です。天然カンナビノイド、植物性カンナビノイドとも呼ばれます。
代表的なフィトカンナビノイドとしてCBDやTHCなどが挙げられ、その中でも希少(抽出できる量が少ない)なものはレアカンナビノイドと呼ばれます。
合成カンナビノイド
合成カンナビノイドは、化学合成によって生成される人工的な成分です。フィトカンナビノイドを水素化したり、アセチル化するなどして合成カンナビノイドは生成されます。
代表的な合成カンナビノイドとして、THCHやHHCHなどが挙げられ、特に向精神作用が強い点が大きな特徴でしょう
現在も新たな合成カンナビノイドが続々と誕生していて、日本国内でも様々なタイプが流通し始めています。
カンナビノイドが規制される理由
カンナビノイドが規制される理由はいたってシンプルで、向精神作用を持つカンナビノイドの乱用を防止するためです。
指定薬物として規制されている違法なサイコアクティブ系カンナビノイドは、医薬品としての有効性が認められておらず、摂取した人が健康被害を訴えることもありました。
- 心拍数の上昇
- 嘔吐
- 幻覚
- 被害妄想
現時点で合法とされているカンナビノイドでも、摂取量や方法を誤ると副作用や健康リスクが現れる可能性がありますので、用法用量には充分に注意しましょう。
違法なカンナビノイドを所持していた時はどうする?
もしも自身が所持している電子タバコ(Vape)リキッドやオイル、カプセルなどの中に、違法なカンナビノイドが配合されていた場合はどうすれば良いのでしょうか?対策を見ていきましょう。
違法なカンナビノイドが配合された製品は処分する
もしも違法なカンナビノイドを配合した製品を所持していた場合は、すぐに処分するようにしましょう。「もったいない…」と感じてしまうかもしれませんが、使用したり他人に販売したりしてはいけません。
また、指定薬物としての規制は、通常だと規制発表後1〜2週間程度の猶予期間が設けられます。特にサイコアクティブ系のカンナビノイド製品を購入する際は、事前に規制対象でないか確認するようにしましょう。
違法なカンナビノイドの使用等に対する罰則
もしも違法なカンナビノイドを製造、輸入、販売、所持、使用等してしまった場合は、以下の罰則の対象となります。
厚生労働大臣は、中枢神経系への作用を有する蓋然性が高く、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれのある物を「指定薬物」として指定する(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項)。指定薬物は、製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されている(罰則:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。業としての場合は5年以下の懲役または500万円以下の罰金)。
違法・合法なカンナビノイドまとめ
本記事では、現時点で日本国内で違法なカンナビノイド、指定薬物として規制されている違法なカンナビノイドを一覧形式でご紹介しました。自身が所持しているカンナビノイド、購入を検討しているカンナビノイドが違法か合法か迷ったときは、ぜひ参考にしてください。
特に向精神作用を持つサイコアクティブ系カンナビノイドは、今後規制される可能性があります。新たに規制が発表された際は随時更新していきます。