8月24日、バハマ政府は医療、宗教、研究目的での大麻の合法化を目指す法案を発表しました。この法案では大麻の少量所持も非犯罪化され、前科抹消についても取り決めが行われています。
バハマの概要と大麻に対する歴史的背景
バハマは、カリブ海に位置する約700の島からなる、人口約41万人の国であり、世界的に有名なリゾート地です。
1929年に制定された危険ドラッグ法により、大麻は長らく禁止されていました。1962年の法改正で、この禁止はヘンプ由来の製品やCBDにも拡大されました。
過去の合法化検討と新法案の進展
2018年には、バハマ政府が大麻の個人使用を非犯罪化し、医療用大麻を合法化することを検討していると発表していました。2021年には、一時的な医療用大麻法案がメディアによって明らかにされました。
法案の具体的内容と規定
今回の法案は、司法長官ライアン・ピンダーと保健福祉大臣マイケル・ダーヴィルによって、首相官邸での記者会見で発表されました。この法案には11の小法案が含まれ、医療用大麻が合法化されること、特定の疾患を持つ患者に対して特別に訓練を受けた医師が処方できるようになること、などが定められています。
安全対策と新たな規制機関の設立
大麻の誤用を防ぐため、THC濃度には上限が設けられ、追跡システムも導入されます。新たに設立される「大麻庁(The Cannabis Authority)」が、これらの大麻の管理と規制、およびガイドラインの策定を担当します。
法案の今後のスケジュールと見通し
法案は非公開での協議が進んでおり、9月には公開協議が予定されています。バハマ政府は、これらの手続きを経て、10月に法案を提出し、来年の前半に施行する予定です。
カリブ海諸国における大麻規制の動向
バハマ以外にも、ジャマイカやアメリカ領ヴァージン諸島、アンティグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネイビスなど、カリブ海の国々も大麻の規制を次々と緩和しています。
政府高官による法案の意義と経済への影響
保健福祉大臣マイケル・ダーヴィルと司法長官ライアン・ピンダーは、この法案が多くのバハマ人にとって医療上、さらには経済的にも大きな意義を持つと強調しています。