多くの大麻使用者、特に医療用大麻の使用者は「口渇」を経験しています。この現象は「コットンマウス」とも呼ばれ、唾液の分泌が減少している状態を指します。しかし、何故大麻使用でこのような症状が出るのか、その詳細は不明でした。
アメリカの最新研究が明らかにする口渇の原因
アメリカの研究者によるマウスを用いた実験から、唾液腺に存在するCB1受容体の活性化が口渇の要因となる可能性が明らかにされました。
唾液腺とは?
唾液腺は主に舌下腺、顎下腺、耳下腺という3つの大唾液腺から成り立っています。これらの腺から約1~1.5リットルの唾液が1日に分泌されるとされています。
CB1受容体と唾液腺
今回の研究で、顎下腺にCB1受容体が存在することが判明。これらの受容体は、副交感神経系によって制御されています。
唾液分泌のメカニズムとCB1受容体
唾液の分泌は副交感神経が興奮することで行われます。今回の研究では、この神経の興奮がCB1受容体によって抑制され、結果として唾液の分泌が減少することが示されました。
CBDの影響:口渇を和らげるか?
CBD(カンナビジオール)は、CB1受容体を弱める作用があり、THCと一緒に使用すると、THCによる唾液分泌の減少が和らぐことがわかりました。
エンドカンナビノイドの影響も考慮に
CB1受容体は、自然に体内で生成されるエンドカンナビノイド(アナンダミドや2-AG)によっても活性化されます。これらは通常、酵素によって速やかに分解されます。
まとめ:口渇の原因と対策
大麻使用によって口が乾く原因は、顎下腺のCB1受容体が活性化することで、唾液の分泌が減少する可能性が高いとされています。この新しい知見は、将来的に口渇の対処法を考える際の重要な手がかりとなるでしょう。
以上の研究結果を踏まえ、大麻使用と口渇の関係性についての理解が一歩進んだと言えます。特に医療用大麻の使用者にとっては、この問題の解決が待望されるところです。