厚生労働省、ヘンプ製品のTHC残留限度値案を提示

厚生労働省は、2023年12月に公布された改正大麻取締法及び麻薬・向精神薬取締法に基づく政令を定め、これを施行するための準備を進めています。この新しい規制は、大麻由来製品中のテトラヒドロカンナビノール(THC)の残留限度値を定めるものであり、特にカンナビジオール(CBD)オイルなどに関する具体的な数値が提示されています。

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THC残留限度値の提案

厚生労働省は、飲食料品のうちオイルについて、「THCの残留限度値を10mg/kg以下」とする案を提示しました。この値は、THCが精神作用を発現する量よりも低い数値であり、安全性を確保するために設定されています。また、大麻由来製品中のTHCの標準的な分析法についても案が示され、これらの案に対する意見募集が開始されました。意見募集の期間は、来月28日までです。

具体的な残留限度値

案では、大麻由来製品を3つの製品区分に分けて、それぞれの残留限度値を次のように提案しています。

  • 油脂(オイル): 10mg/kg(0.001%)以下
  • 飲料: 0.10mg/kg(0.00001%)以下
  • グミなどその他の製品: 1mg/kg(0.0001%)以下

飲料の数値が最も低い理由は、飲料の摂取量が他の飲食料品に比べて大きくなる可能性があるためです。これにより、消費者の安全を一層確保することが目指されています。

欧州の規定を参考にした安全基準

今回の残留限度値設定には、欧州食品安全委員会(EFSA)の規定も参考にされています。THCの作用が発現される量よりもさらに低い数値を設定することで、消費者の健康被害を防ぐことが目的です。

改正法の施行とその影響

改正法の施行日は、今年10月1日とされています。これにより、THCに対する規制は従来の大麻取締法に基づく部位規制から、麻薬及び向精神薬取締法に基づく成分規制に変更されます。これまで利用が禁止されてきた大麻草の花穂や葉も、CBDオイルなどの大麻由来製品の原料として利用可能になります。しかし、製品中にTHCが微量残留する可能性があるため、残留限度値が政令で明確に規定されることとなります。

製造・販売事業者への影響

この新しい規制により、大麻由来製品の製造・販売事業者には、より厳格な製造・品質管理が求められます。残留限度値以下であれば、製品は麻薬に非該当となりますが、限度値を上回る場合には麻薬に該当する恐れがあるため、事業者は十分な注意が必要です。

今後の展望

今後、厚生労働省は集まった意見を精査し、必要に応じて提案を修正する可能性があります。その後、正式な政令が発表され、改正法が予定通り施行されることとなります。これにより、日本国内での大麻由来製品の取り扱いに関する明確な基準が設けられ、業界の健全な発展と消費者の安全が図られることが期待されます。

まとめ

今回の厚生労働省によるTHC残留限度値の提示は、大麻由来製品の安全性を確保するための重要なステップです。特に、CBDオイルなどの製品に関しては、明確な基準が設定されることで、消費者が安心して使用できる環境が整備されます。今後も意見募集を通じて、さらに実効性のある規制が策定されることが期待されており、業界全体の発展と消費者の安全が両立することが目指されています。

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著者

2019年〜CBD系のカンナビノイド製品制作を開始。オレゴン州で製品の販売や原材料の輸入・輸出事業を経て、カンナビノイド業界に携わる企業の経営サポート・コンサルティングに携わる。