CBDの疼痛・脳震盪に対する効果の臨床試験にNFLが出資

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アメリカンフットボールリーグ(NFL)がカナダの研究者と提携し、CBD(カンナビジオール)の臨床試験を実施しています。この試験は、多くのフットボール選手がゲーム中に負傷するという重要な問題に対処し、CBDが疼痛と脳震盪にどれだけ有効かを検証するものです。

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臨床試験の概要と期待される成果

第1フェーズの試験には35人が参加し、プラセボまたはCBD豊富な大麻エキスを受け取ります。この試験は、「安全で、よく耐えられ、日常的に使用しても有害な生理学的および心理学的機能障害を引き起こさないか」を検証します。研究者は、CBDが日常的な使用に適しているかどうかを確認するため、参加者に対して徐々に増加するCBDの安全な摂取量を特定することを目指しています。

研究の目的と見込まれる成果

この研究は、CBD製剤の抗炎症および神経保護効果を調査し、競技前のオフシーズンの激しい運動トレーニング期間中にCBDが安全に毎日使用できるかどうかを確認することを設計されています。研究者たちはCBDが中毒性がなく、安全で、よく耐えられ、生理学的または心理学的な機能障害を引き起こさないとの仮説を立てています。

Regina大学の研究者との連携

この研究では、Regina大学の研究者がNFLと協力し、「安全に毎日摂取できる」最適なカンナビジオールの用量を特定することを目指します。CBDを受け取る参加者は、徐々に増加するCBDの摂取量により、激しいトレーニング期間中に安全に摂取できるかを調査します。

NFLが注ぐ数百万ドルの研究資金とその背景

NFLは近年、CBDの非中毒性カンナビノイドの治療潜在性を探るために数百万ドルを投資しています。これには、CBDをオピオイドの代替手段として検証するための研究に対する資金も含まれています。リーグはこのプロジェクトに100万ドル以上を拠出し、CBDの臨床試験に積極的に資金を提供しています。

NFLの資金提供と大会前の変化

NFLは2022年に初めてこのプロジェクトに資金提供することを発表し、大麻試験に100万ドル以上を費やすことに同意しました。また、NFLと選手組合は昨年、脳震盪を持つ選手のためのCBDの治療効果に関する独立した研究に再び資金提供することを発表しました。これは、NFLが選手やその他の関係者から強い関心を集めていることを示しています。

スポーツ界全体での大麻政策の変革

この試験の背後には、2020年の大麻合法化運動があります。NFLのドラッグテストポリシーも同年に大幅に変更され、陽性なテスト結果により選手が試合から出場停止にならないようになりました。他のスポーツリーグも同様に、大麻の合法化に合わせて政策を見直しています。

他のスポーツリーグとの比較

大学スポーツ、UFC、NBAなど他のスポーツリーグも大麻政策の変更を進めています。NCAAは大学アスリートのTHC許容量を引き上げ、大会でのマリファナの検査から除外する提案を検討しています。UFCはアスリートの禁止物質リストからマリファナを削除し、NBAはリーグの禁止物質リストからマリファナを削除するとともに、選手が大麻ブランドに投資し、宣伝するための規則を定めた労使協定に署名しました。

大麻産業との連携:NYMSLのCBDスポンサーシップ

大麻政策の変革に伴い、メディアソフトボールリーグ(NYMSL)はCBD企業とのスポンサーシップ契約を発表しました。これは、メジャーリーグベースボール(MLB)や他のチームがCBDビジネスと提携した動きに刺激されたものであり、大麻産業との連携がスポーツ界で進んでいることを示しています。

積極的な変化への期待:WADAとの対立とアスリートの権利

これらの変化を歓迎する一方で、World Anti-Doping Agency(WADA)のマリファナ禁止に対する批判もあります。アスリートによるマリファナ使用はスポーツの「精神」に違反するとの意見もあり、WADAには改革が求められています。アスリートの権利を重視する声が高まる中、大麻政策に対する国際的な見解の変化が期待されています。

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著者

2019年〜CBD系のカンナビノイド製品制作を開始。オレゴン州で製品の販売や原材料の輸入・輸出事業を経て、カンナビノイド業界に携わる企業の経営サポート・コンサルティングに携わる。