2024年1月12日、中等度以上の激しい歯痛に、CBDが鎮痛効果を発揮したことをアメリカの研究者らが報告しました。
急激な歯の痛みは非常に辛いものであり、従来の鎮痛薬の選択肢が制限されています。最新のランダム化プラセボ対照臨床試験によれば、カンナビジオール(CBD)が急性歯科疼痛に対する効果的で安全な代替鎮痛薬となりうる可能性が浮かび上がりました。
CBDの効果的な鎮痛効果
研究では、中等度から激しい歯痛を抱える61人の患者をCBD10グループ(CBD 10 mg/kg)、CBD20グループ(CBD 20 mg/kg)、およびプラセボの3つのグループに無作為に割り当てました。各グループには単回の経口溶液が投与され、3時間にわたり被験者がモニタリングされました。その結果、CBDグループはVAS(視覚アナログスケール)においてプラセボグループと比較して顕著な疼痛軽減を示しました。特に180分時点でのVASにおける最大中央値軽減率は73%でした。
CBDの迅速な効果と最大の疼痛軽減
興味深いことに、CBD20はCBD10よりも有意な疼痛軽減を示しました。薬物投与後の疼痛軽減の発現が早く、CBD10は30分、CBD20は15分で有意な疼痛軽減を経験しました。どちらのグループも180分で最大の疼痛軽減に達しました。治療効果数(Number needed to treat)はCBD10で3.1、CBD20で2.4であり、CBDが急性歯科疼痛に対して効果的であることを示唆しています。
CBDの咬合力への影響
CBDは咬合力にも影響を与えました。CBDグループでは咬合力が有意に増加し、特にCBD20はプラセボグループと比較して90分および180分の時点で有意な差を示しました。これは、CBDが患者の痛みに対する自然な反応を改善し、咬合力の増加に寄与する可能性があることを示唆しています。
安全性に関する考察
この研究では、CBDの投与に伴い、鎮静、下痢、および腹痛がプラセボグループと比較して有意に増加したと報告されました。しかしながら、他に有意な精神作用や気分変動の影響は見られませんでした。CBDはその安全性と効果的な鎮痛効果により、急性歯科疼痛の治療において新しい選択肢となり得ることを示しています。
まとめ
この無作為化プラセボ対照の臨床試験は、経口CBDが急性歯科疼痛に対する有効で安全な鎮痛薬である可能性があることを初めて示しています。CBDは従来のオピオイド系鎮痛薬に頼らない新たな治療法として注目され、患者の痛み緩和に寄与する可能性があります。