8月21日、イタリア政府はCBDオイルを麻薬として分類する新政令を公布しました。この政令は9月21日から発効し、CBDオイルを入手するには医師の処方箋が必要となります。
2020年の前例：CBDの法的地位
2020年にもイタリア政府はCBDをセクションBの医薬品として分類する政令を可決しており、この動きは今回の決定に先立つものとなっています。
法的影響と産業への制約
この新政令によって、CBDオイルの製造はイタリア医薬品庁（AIFA）の認可が必要となり、食品や化粧品でのCBDの使用も事実上違法となりました。
大麻業界からの反発
ジャズ・ファーマシューティカルズが開発した高濃度CBD製剤「エピディオレックス」の導入を目的としたこの政令には、大麻業界から大きな反発がありました。
Canapa Sativa Italiaからの批評
イタリアの大麻産業団体「Canapa Sativa Italia（CSI）」は、この政令が科学的根拠に乏しく、業界に深刻な影響を与えると批判しています。
Federcanapaの立場
イタリアのヘンプ連盟「Federcanapa」も政府に対してこの政令についての説明と保証を求め、抵抗の態度を見せています。
専門家からの意見
「Cannabiscienza」の共同設立者であるヴィオラ・ブルグナテッリ氏は、CBDの安全性が高まる点は評価しつつも、製品価格の上昇によりアクセスが制限される可能性に懸念を示しています。
WHOと欧州司法裁判所の見解
WHOは2017年にCBDに乱用の危険性はないと勧告し、欧州司法裁判所も2020年にCBDを麻薬とは見なさず、EU全域での販売を許可しています。この点が、イタリアの新政令がEUと矛盾する可能性を指摘しています。
結論：イタリアのCBD規制と国際的な矛盾
イタリアがCBDを麻薬に分類する一方で、他のEU加盟国ではそのような制限がないため、イタリアにとって不利益な状況が生まれています。
この記事で紹介したように、イタリアの新政令は多くの疑問と議論を呼び起こしており、今後の動きが注目されます。
