2024年5月7日、アメリカの研究チームは月経関連症状に対するCBDの有効性に関する調査結果を発表しました。研究ではCBDの摂取により、月経関連症状が緩和されることが確認されています、
研究概要
月経関連症状(MRS)は多くの女性が経験する辛い問題であり、月経周期の間に様々な身体的・精神的な不調を引き起こします。痛みや過敏性、不安、ストレスなど、生活の質を大きく損なうこれらの症状を和らげるために、近年注目されているのがカンナビジオール(CBD)です。
Morgan L. Ferrettiらによる最新の研究は、CBDが月経関連症状の緩和にどのような効果をもたらすかを調査したものです。プレポスト、ランダム化、オープンラベル試験として実施されたこの研究では、経口CBDアイソレートを使用し、月経関連症状(MRS)に対する影響を評価しました。
参加者と方法
参加者はランダムに2つのCBDソフトジェル投与群に割り当てられました。
160 mgを1日2回(BID)投与される群(n = 17)
320 mgを1日2回(BID)投与される群(n = 16)
参加者はまず1か月間のベースライン期間を完了し、その後、月経関連症状が始まったと感じた最初の日から5日間連続でCBDを消費するよう指示されました。このサイクルを3か月間繰り返し、MRSおよび関連アウトカムの変化を評価しました。
研究結果
緩和された症状
研究結果は、CBDの投与が以下の症状に対して顕著な緩和効果をもたらすことを示しました:
- 月経関連症状(MRS)
- 過敏性
- 不安
- グローバル印象の変化
- ストレス
- 主観的な重症度スコア
これらの症状は、ベースラインと3か月間のCBD消費を比較した際に、いずれの投与群でも減少が見られました。
効果の持続性
特筆すべきは、症状の変化がCBD消費の最初の月に現れ、その効果が3か月間持続したことです。これは、CBDが短期間で効果を発揮し、継続的な使用によってその効果が維持される可能性を示唆しています。
変化しなかった症状
一方で、抑うつスコアにはいずれの投与群でも有意な変化が見られませんでした。この点については、さらに詳しい研究が必要です。
今後の研究の方向性
本研究は、CBDが月経関連症状の管理に有効である可能性を示していますが、いくつかの限界もあります。その中でも、プラセボ対照研究が行われていない点が挙げられます。今後の研究では、CBDとプラセボを比較し、その有効性をより明確にすることが重要です。
CBDの最適化
さらに、CBD消費の最適化に関する研究も期待されています。例えば、CBDとテルペンの組み合わせや、投与経路およびタイミングの変更によって、月経関連症状に対する効果がどのように変化するかを調査することが有用です。
まとめ
カンナビジオール(CBD)は、月経関連症状の緩和に有望な効果を示すことが最新の研究で明らかになりました。特に、過敏性や不安、ストレスなどの精神的な症状に対する効果が確認されており、生活の質向上に寄与する可能性があります。しかし、抑うつ症状には有意な効果が見られなかったため、さらなる研究が必要です。
今後、プラセボ対照研究やCBDの最適化に関する研究が進むことで、より多くの人々が月経関連症状を効果的に管理できるようになることが期待されます。CBDの使用を検討している方は、まず専門家に相談し、自分に適した方法で取り入れることをお勧めします。