2024年2月22日、CBD(カンナビジオール)製品の市場感環境の健全化と成長を目指す「超党派議員連盟」は、国内のCBD事業者4団体と連携して取りまとめた共同声明を発表し、議連へ提出しました。
本声明では、危険ドラッグに相当する化学物質”合成カンナビノイド”の販売・提供は一切行わないこと等が強調されています。議連の会長を務める自民党、山口俊一衆院議院運営委員長は、「将来的にわが国の大きな産業として活況を呈するように頑張っていきたい」と語りました。
共同声明に参画したCBD団体
共同声明に参画した団体は日本ヘンプ協会、日本カンナビノイド協会、日本カンナビジオール普及機構、日本カンナビジオール協会の4団体とその他有志です。
共同声明の全文
大麻草由来のカンナビジオール(CBD)製品については、近年、我が国においても食品や化粧品等に利用され、我が国において食品や化粧品等に利用され、消費者からの関心が高まっている状況にあります。そうした中、「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬法の一部を改正する法律」が先の臨時国会で成立しました。従来の大麻草の部位による規制から、成分による規制へと改正され、大麻草の花や葉から抽出したCBDも利用可能となります。これにより、人々の健康に寄与する可能性をもった大麻由来のCBD製品の提供の幅が広がり、その市場規模の拡大も期待されています。
一方、昨今、いわゆる「大麻グミ」と称する危険ドラッグ成分を含有する製品による健康被害が相次いで報告されており、こうした危険ドラッグ成分をCBD製品に配合したり、CBD製品と同一店舗内で販売したりしている例も見られることから、消費者からCBD製品を含む大麻草由来製品全体について懐疑的な見方が広まりつつあることは非常に憂慮すべき状況です。
そのような市場の状況を踏まえ、消費者の期待と信頼に応えるため、私たちCBD事業者、団体は、今後のCBD製品及び業界の健全な発展に向けて、危険ドラッグ成分取扱いの排除、法令順守の徹底をはじめとして、CBD製品の安全性を確保し、消費者の安心と信頼を得られる市場環境の整備に取り組んでいくことを最優先に活動いたします。
関係する事業者、団体は、この課題を共有し、責任ある事業者として、以下に関する事項を宣言いたします。
危険ドラッグを取り扱わないこと
私たちCBD事業者は、消費者に安全かつ適正な製品の提供に努め、いわゆる「大麻グミ」と称する危険ドラッグ成分に相当する大麻由来成分に類似の未規制の合成カンナビノイドの販売・提供は一切行いません。法令遵守(THCの残留限度値の遵守徹底など)
私たちCBD事業者は。CBD製品を含有する食品や化粧品が麻薬に該当することがないよう、麻薬及び向精神役取締法の下で今後定められるTHCの残留限度値を遵守した製品のみを取扱うこととし、THCが残留限度値以下となる製品の品質管理を徹底します。
今後、THCの残留限度値や検査法が国において策定される際は、厚生労働省を始めとする関係省庁に協力してまいります。医薬品や規制薬物と誤認される広告や販売を行わないこと
私たちCBD事業者は、団体は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に抵触する医薬品と誤認されるような効能・効果を標ぼうした広告、製品の販売・提供とならないよう最大限の注意を払います。また、大麻の嗜好利用を含めた合法化や安全性を主張する意見とは一線を画し、CBD製品の販売や広告に当たっても留意し、消費者に誤解を生じる「合法大麻」などの広告を行いません。私たちは、団体加盟の各事業者に対しても上記事項の遵守を徹底するとともに、遵守されない場合には除名を含めて厳正に対応します。
今後の展望
市場規模の拡大が想定される一方で、大麻グミなど違法な危険ドラッグ成分を配合したCBD製品の販売例なども確認されており、CBD事業者が健全な市場環境を整備していく姿勢をアピールできた形となりました。しかし、団体に加盟していないCBD事業者も多数存在する中で、誇大広告や不当表示といった問題もまだまだ多数報告されています。今後、CBD市場の健全化を目指すうえで、同4団体はより多くの関係事業者を巻き込んでいく必要があるでしょう。